両脇に煉瓦造りの倉庫が建ち並び、老若男女、様々な人が行き交う広い道。倉庫の前には露店が出ており、盛んに客寄せを行っている。
「安い、安いよ。本物の宝石で作ったアクセサリーが破格のお値段!」
「噂の南大陸の特産珍味は如何?」
「人気海賊さんたちの生写真、遂に入荷よ!激レアよ!」
航海が盛んなこの時代、海にはいくつもの海賊団が存在したが、少し有名になるとなぜか女性からの人気があがり、彼らの写真が売られていたりもするのだ。
多種多様の露店を訪ねる客も客で、値切ったり、クレームを付けたりと騒がしい。
「ちょっとコレ、高価すぎるんじゃないの?隣町では、もう百マール安かったよ」
「何だよ偽物じゃないかよ」
等々。
その喧噪の中を、ひたすら早足で道を突き進む少女がいた。
ひらひら揺れるキャメル色のフレアスカートはこの辺りの学校の制服だ。微風にふわりと揺れる絹糸のように細い亜麻色の髪は背中まで届く長さ。その背中には厚みがなく、低い身長からも、彼女がまだ幼いことが容易に想像できる。顔つきも幼いのだが、きゅっと引き締まった唇の端、力のある目元などから、意志の強そうな少女であると思われる。
彼女の行く先は、港の船着き場。この通りを真っ直ぐ降りた先にある。
「待ってよニネ。今日は僕ん家に来てくれるんじゃなかったの。レイナの……あ、レイナってのは、うちの家政婦だけど、レイナがアップルパイを作って待っていてくれてるんだよ。すごく美味しいんだよ」
「宿題、一緒にやってくれるって言ったじゃんかよぉ」
彼女の後ろを、同年と思われる2人の男の子がついてゆく。
「ごめんね。悪いけど、今日はそれどころじゃないの」
ニネと呼ばれた彼女は、後ろを振り向くことなく早口で彼らに告げる。
「あらニネちゃん。お父さんの船ならもう、港に着いているわよ」
色とりどりの果物を売る露天商のおばさんがニネに声をかける。
「ええ。だから急いでいるんです」
よく通る明るい声でそう返答し、ニネはさらに歩みを早めた。
「ニネーー」
後ろをついて歩く2人の男の子は声をそろえ、彼女に歩調を合わせた。
港町マージェスト。いつだって交易船と商人で賑わう街。近隣の国からも、マージェストに集まらない品物は無いのではないかと言われている。もっとも、これほどまでにマージェストが栄えるようになったのは、造船技術が発達したここ数十年の話である。
マージェストを拠点にする商船はいくつもあるが、その中でも一番大きな船、『ジョイブリンガー』は、ニネの父親、アーウィン・レッドヴェールの所有である。一度航海に出れば、帰ってくるのは三月以上後。けれど、留守にしていた分、ニネにたくさんの土産を積んで帰ってきてくれる。
だからニネは、父親に会える喜びも相まって、ジョイブリンガーが帰ってきたと報せを受けた日は、何を差し置いても真っ先に港へ向かうのだ。
港には、小さな船から大きな船、簡素な船から派手な装飾の船が所狭しと停泊していた。
肩に荷を積んだ労働者たちが行き交う港を、ニネはジョイブリンガーの停泊地を目指す。
ジョイブリンガーは、現代の造船業界では最先端技術とされる蒸気機関を有する数少ない船なので、これだけたくさんの船が停泊している中でもかなり目立つ。
しかし今日はそのジョイブリンガーの隣に、さらに目立つ船が停泊していた。
「わぉ。すっげぇ」
「美術品をそのまま大きくしたみたい」
ニネの後ろをついて歩いていたレオとマークは口を閉じるのも忘れて、その船を見上げた。実際、ニネも数十秒間、ぽかんとその船に見とれてしまっていた。
大きさは、それほどでもない。ジョイブリンガーより二回りは確実に小さい。木造の船体は滑らかな曲線を描き、一定間隔で魔法陣を彷彿させる模様の彫金細工の板が張られ、深い青色の宝石が埋め込まれている。
船首には槌を振り上げる巨人の像が取り付けられ、その像といったら、いまにも槌を振り下ろさんばかりの出来映えだ。目の部分にだけ宝石が埋め込まれ太陽の光を爛々と跳ね返している。
実は、ニネがこの船の前で脚を止めたのは、この像にぎろりと睨まれたように錯覚し脚がすくんだからであったが、自分が作り物の像なんかに怯えたと知られるのは嫌だったのでそれは黙っておくことにした。
甲板の手すりには金細工の茨の蔦が絡まっている。
天を指す帆柱の先からは七色の光がこぼれているかに見えるが、これは、色とりどりの宝石が取り付けられているせいのようだ。
とにかく、とにかく素晴らしい装飾。ニネは今までこんな船を見たことはなかった。その美しさに視線は奪われ思考は停まる。
「だけど」
ニネは、やっと口を開いた。
「こんな船じゃ、速く走れはしないわ。実用的じゃないのよ」
そう、彼女にとっては、どんな素晴らしい装飾が施された船だろうと、父の所有するジョイブリンガー以上の船などありはしないのだ。
「でもすごいよなぁ」
「これ作るのに、どれだけの時間かかったんだろ」
尚も船に見とれる学友二人に、ニネは
「見るだけの船なんて、何の役にも立たないわよ」
と一喝する。
すると、
「参ったな、せっかく貰ってきたのに、ニネはこの船が気に入らないかい」
と、背後から声がした。
「パパ!」
ニネはくるんと身を翻し、後ろを振り向く。
アーウィン・レッドヴェール。ニネの父親にして、マージェスト最大の船を持つ商人。
成人男性にしては背が低く、ずんぐりした印象を与える。薄いひげを頑張って伸ばして、なんとか貫禄があるように見せようとしているが、どうにも人の良さそうな顔は隠せない。
しかし見た目とは裏腹に彼はなかなかの商才の持ち主で、だからこそ、マージェスト一の商人になり得たのだ。
「おかえりなさい、パパ。この船、パパが持ってきたの」
目を丸くして、ニネが尋ねる。アーウィンはにこにこして頷いた。
「すごいだろ。もはや、現存するものは世界に何艘あるかわからない、魔法船だよ」
アーウィンは目を細め、愛しそうにその船を眺めた。
「魔法」
「魔法船だって」
後ろで、レオとマークがひそひそと囁き合う。それを聞きとがめたニネは、
「ちょっと!あんたたちはもう帰ってよ!」
と怒鳴る。
男の子たちはぴたりと口を閉ざし泣きそうな顔になる。つい怒鳴ってしまったニネは、彼らに対して少し申し訳なく思い、堅い表情を少し和らげる。
「レオ、ごめんね。今日はあなたのお家には行けないけれど、レイナには今度一緒にアップルパイを作りましょうって伝えておいて」
「そのアップルパイ、僕にも食べさせてくれる?」
「もちろんよ、みんなで一緒に食べましょう。マーク、宿題は明日の朝学校で見てあげる。だから今日は、自分一人で頑張って、ね?」
「うん、わかった」
男の子2人が納得すると、ニネはにっこり笑って、
「じゃあまた明日、学校でね」
と、2人を送り出した。
「いいのかい、ニネ。お友達と約束があったんじゃないのかい」
アーウィンが尋ねる。
「特に約束していた訳じゃないわ。それよりパパ、この船が魔法船って、どういう事?」
ニネはもう一度、その船をよく観察する。巨人の像の目が、またきらりと光った。
レッドヴェールの家は、港がよく見える丘の中腹に建っていた。
港町一番の商家の邸らしく十分な広さと装飾のある家であり、ここに、留守がちであるアーウィン、その一人娘のニネ、アーウィンの両親、つまりはニネの祖父母、さらに、アーウィンの妹、ニネにとっては叔母のルイズが一緒に住んでいる。ニネの母親は彼女が幼い頃に病死しており、ニネ自身は母親の記憶は薄いがアーウィンは今も妻を深く愛しているらしい。
ニネの祖母、エイナはニネが帰宅する時間が近づいてくると、いつも慌ただしく「魔法」の準備をする。エイナが使える数少ない魔法を、毎日取っ替え引っ替え、ニネに披露している。昨日は人形を動かす魔法を使ったから、今日は虹色の薔薇を咲かせる魔法にしようか、それとも花火の魔法にしようか。どの魔法を使うにしろ、材料を用意して、細々とした魔法陣を描いて、長い呪文を詠唱して……と、手間がかかる。
それでも、魔法を見て喜ぶニネの姿を思い浮かべると、それらの手間は、何の苦でもなかった。
エイナが、空いている小部屋で羊皮紙に魔法陣を描いていると、ドアから
「お母さんったら、また、魔法なんか」
と、ニネの叔母、ルイズが咎める。
「あらだって、ニネが魔法を見たがるもの」
エイナは、魔法陣を描く手を止めて眼鏡を人差し指でずりあげ、ルイズに答える。
ルイズはあからさまにため息をつく。
「今時、魔法なんかに興味を持っても良いことないわ。一つの小さな魔法を使うのに、とんでもない手間と時間がかかる。そんな非効率的で原始的なもの、これからの世の中を生きるニネには必要ないの。あの子が興味を持つべきものは、魔法なんかじゃないわ」
ルイズの言うとおり、かつて世界を席巻していた魔法は発達する文明に圧され、その存在が廃れかけている。
「そうねぇ。今じゃ学校でも、魔法は教えていないものね。寂しいものだわ、私たちの若い頃には、ちゃんと魔法の授業っていうものがあったのに」
エイナはそう言って、再び魔法陣に取りかかる。
「ちょっとお母さん、私の話、ちゃんと聞いてたの?」
かつては、多くの人が大なり小なり魔法を使う事ができた。しかし、限られた魔力を持つ者以外の一般人にとっては、魔法を使うにはそれなりの準備が必要であり、容易に使えるものではなかったのだ。
だから、ランプや蒸気機関など、生活を楽にする便利なものが次々と発明されていく中で、魔法がだんだんと廃れていくのも、当然の流れであった。
今や魔法は時代遅れのものであり、子供達が喜ぶ手品でしかなくなっていた。
エイナが「はいはい」とルイズの言葉を聞き流しつつ魔法陣を描き続けていると、外からガラガラと馬車の車輪が砂利を踏む音が聞こえてきた。
ルイズが部屋を突っ切り、窓辺から外を見る。
「あら、お兄さんとニネが一緒に帰ってきたわ」
ルイズの視界には、馬車から降りるニネとアーウィン、そして、その後から雇われの荷運びたちによって次々と運び出される荷物が見えた。きっと、家族への土産物だろう。
ルイズは、前回アーウィンが帰ってきた時に飾り場所に困る巨大なトーテムポールを買ってきた事を思い出し、
「嫌だわ、今回は何を持ってきたのかしら」
と顔をしかめるが、他国の香水や衣類も買ってきてくれた事も思い出し、
「ちょっと出迎えに行ってくるわね」
と、そそくさと部屋を出て行った。
「あら。まだ魔法陣を書き終わっていないのに、もう帰って来ちゃったのね」
エイナは羽ペンを机の上に置き、ルイズ同様アーウィンとニネを迎えに出るため僅かに痛む膝を押さえながら立ち上がった。
主が戻ったレッドヴェール家は普段にまして賑やかだった。夕食の準備ができるまでの間、アーウィンは買ってきた土産物を次々と披露する。
ルイズは、柔らかで光沢のある布で作られたスカーフや、小粒だが美しい輝きを放つ宝石をあつらえたスカーフ留めには大喜びしたが、庭に飾ってくれと言って差し出された極彩色でしかもグロテスクな形状のヒキガエルの置物には頭を抱えた。
ニネにも衣類や人形などが与えられたが、彼女が一番喜んだのは、アーウィンが最後に開けた箱の中身だった。
「地球儀!」
それを見た途端、ニネは声を弾ませる。ニネの頭ほどの大きさの球に世界地図が描かれ、山脈の微妙な凹凸も再現されているうえ、軸を中心にくるくる回るようになっている。
ニネとアーウィンの他は、地球儀が一体何なのかがわからず、不思議そうな顔をしている。
「叔母さん、知ってる?世界って平面じゃないのよ。まぁるいの」
ニネはくるくると地球儀を回しながら、不思議そうな顔でそれを眺めているルイズに説明する。
「ちょっと前まで学校では、世界の端っこまで行くと断崖絶壁だと教えていたけれど、それはもう古いお話よ。本当は、世界に端っこなんてないのよ。世界は、こんな形をしているの」
「噂には聞いていたけれど、なんだかピンと来ないわ」
ルイズはまだ困惑した顔をしているが、もっと困惑した顔をしているのは、エイナの方だ。
「世界には山も谷もあるのに、こんなにまん丸なんてねぇ。私たちが子供の頃は、世界は星形をしていると教えられたけど」
「お母さんの知識は、魔法時代のまま止まっているのよ」
ルイズが少し意地悪な言い方をした。
ニネはすっかり夢中になって地球儀を回している。
「いいなぁ。ここにある大陸や島を全て、船で回ってみたいなぁ」
ニネがそう呟くと、途端にルイズが目を吊り上げる。
「絶対ダメよ!海になんか出る女の子はいないわよ!」
しかしニネは、ルイズの言うことは聞こえないふりをし、アーウィンに、
「ねぇパパ、さっきの魔法船で世界を回ることができる?」
と訊いた。
「魔法船?」
ニネの言葉に、家族が声を揃える。祖父母は驚いた表情で。叔母は思いきり眉をひそめて。
「驚いた。魔法が盛んだった頃でさえ、魔法船なんて滅多になかったなぁ。魔法船が港に停泊した時は、みんなでこぞって見物に行ったものだ」
祖父ジョナスは遠い目をして昔を懐かしむ。
「すっごいキレイな船だったわ」
と、ニネが目をきらきらさせる。そうだろうそうだろうと頷くジョナスの横で、
「何よ、その魔法船っていうのは」
と、魔法嫌いのルイズが険のある声色でアーウィンに問う。
「いや、旅先でね。もう船を動かせる魔導師がいないからと廃棄されそうになっていてね。思わず買ってしまったんだよ。ただ、魔導師がいないと動かない船だから、本当に、単なる飾り物だ。持ってくる時も、ジョイブリンガーで牽引してきたんだ」
アーウィンはひとしきりルイズに言い訳をした後で、ニネに向かい、
「だからね、ニネ。あの船で世界を回ることはできないんだよ」
と、すまなそうに言った。
「そうなの?だって、魔導師がいれば動くんでしょう」
「だから、魔導師と言われるほど強い魔法の力を持つ人が、今はもう、世界にほとんどいないんだ。だから、無理なんだ」
「お祖父ちゃんとお祖母ちゃんは?」
ニネは、簡単には諦めない。しかし、ジョナスもエイナも、とんでもないとばかりに首を振る。
「私たちには、とても無理だよ」
「まあ、骨董品として展示するには良い品物だわね」
魔法船が今や単なる装飾品でしかないとわかると、ルイズの吊り上がった目は若干元に戻った。
「ねぇパパ、明日、あの魔法船の中に入ってみたい」
ニネがそう言ったが、アーウィンは首を横に振る。
「明日からしばらくは、内装修理の業者を頼んでいるからね。ちょっと無理だよ。それに、魔法仕掛けの船だ。どこにどんな危険があるかわからないんだ。それも調べて貰ってからにしないと」
「魔法仕掛け?」
ニネがまた瞳を輝かせる。しかし、ニネがその先を言う前に、ルイズが釘を刺した。
「ダメよ、ニネ。危ないから入っちゃダメ」
「はぁい」
ニネは、つまらなそうに返事をした。
翌朝、ニネが登校すると、クラスの中は例の魔法船の話で持ちきりだった。
「見た見た?あの船。魔法船だって」
「ウチのばあちゃんが、若い頃同じ船を見たことあるって」
「でもさ、今時魔法なんて、格好悪くない?」
「そうかな、面白そうじゃない」
ニネが教室に入った瞬間、みんなの視線がニネに集まる。そして、質問の一斉砲火。
「ニネ、魔法船って本当?」
「ねえ、あの船、動くの?」
「中はどうなっているの?」
ニネは深呼吸をひとつしてから、
「いっぺんに言わないでっ」
と、クラスメイト達の質問を遮った。
「わたしだってわかんないわよ、あの船のことは。だって中に入れてもらえないんだもの」
「なぁんだ。じゃあさ、もしかしたらあの船、魔法船なんかじゃなく、本当は普通の船なんじゃないの?」
ニネを囲んでいたクラスメイトの一人、背の高い女の子のシェリルが言った。シェリルの隣にくっついている彼女の一番の友人、ベス=エリーが
「だから中に入れてもらえないのね、きっと」
と、鼻先で笑う。
ニネはアーウィンの言う事も魔法船の存在も信じていた。だから、何か言い返そうかとも思ったが彼女達との口論は無益であると思ってぐっと堪え、
「じゃあそのうち、わたしが中を調べてくるわよ。今度結果を教えてあげる」
とあしらうように言う。
それから、ニネを囲むクラスメイト達の中にマークの姿を見つけ、昨日マークの宿題を見てあげる約束をした事を思い出した。
「ほら、宿題みてあげるから。早くしないと先生が来ちゃうわ」
ニネはマークを引っ張り出し、囲いを抜け出して自分の席につく。
「ねぇねぇニネ、本当にあの船の中、調べるの?」
ニネの机の上に、自分のノートを広げながら、マークが訊いた。
「そんな事できるわけないじゃない。危ないから業者以外立ち入り禁止だって。昼も晩も監視員が船を見張っているわよ」
ニネは、シェリルたちに聞こえないように小声でマークに言う。
「なんだぁ。ニネと一緒に船を調べに行きたかったな」
マークもニネに併せて小声になりつつ、心底がっかりしたように言った。
「だけど何が危ないのさ」
「魔法でどこにどんな仕掛けがあるのかわからないんですって」
ニネは、自分のノートも机の上に広げる。
「魔法の仕掛け?」
マークが声を高くしたので、ニネは慌ててしぃっと唇に指をあてて見せる。
マークは首をすくめ、また声のトーンを落とす。
「それって、すっごい楽しそうじゃない」
「うん……まぁね」
ニネだって、楽しそうだと思っている。アーウィンに止められてはいるが、本当は、今すぐにでも船内を探索したくてたまらない。
「ねぇ、こっそり入ったりできないの?」
「そうねぇ……夜だったら、船の中に業者もいないし、監視員も少ないかも」
「だったらさ!何とかして入ってみたくない」
「入ってみたいわよ」
マークと話すうちに、船内を探索したいという思いは、どんどん膨らんでくる。一人だったら無理かもしれないけれど、友達と一緒なら、どうにかできるかもしれない。
「よし!じゃあ何とかしようよ!」
突然、ニネたちの脇からレオが現れそう言ったので、ニネはびっくりして立ち上がりそうになった。すると今度は反対側の脇から、
「俺も行きたい!侵入する計画立てようぜ」
と、クラスメイトのジェスが出てきた。
仲間が二人も名乗りをあげたことで、ニネの決心は固まった。
「うん、行こう!」
そうして、ニネ、マーク、レオ、ジェスの四人は授業中も魔法船に入り込むアイディアをノートの切れ端に書き留め、教師の目を盗んでは手紙を投げ合い、休み時間の度に教室の隅に集まって話し合い、計画を進めていった。
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